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第5部「女が恐い」

5部 女が恐い





森  石松・新野   16時48分
「・・ぉしっ!!まず宅を探そう!!そしたらたぶん丸子とスガちゃんとマッキーも一緒にいるはず!!」
新野は右手を拳にし、上げて叫んだ
「・・・・ぅん」
B組の石松が下を向いたまま答えた
「あれあれぇ?いしまっさぁ~ん、テンション低いよぉ~?」
「・・・てか、新野はなんでそんなテンション高いんだょ?」
「ん~・・・何となくだよ!!何か・・・家に帰ったりとかしなくて良いから!!」
「帰ったりとかって・・・・死ぬかもしんねぇんだょ?それでも?」
「んー・・・だって死なねぇもん、丸子とかが何か脱出法を考えてくれるさ」
「はぁ~・・・よくそこまで人を信じれるこったぁ・・・丸子だって今人殺してるかもしんないよ?」
「えぇー?殺してないよぉ、だって昨日脱出計画するって言ってたもん」
「そうだけどさぁ・・・・」
【ガサガサッ】
「!?」
2人はすかさずかがんだ
遠くの方・・・20m程奥で歩くために草をかき分ける音がした
2人は恐る恐る顔を出し、見る
「・・・・・・小高だ」
新野は唖然とした顔をした
「・・・まじだ」
石松も新野を見ながら言った
「声・・・掛けなくて良いよね?」
「・・・だね、良いょ。怖いし」
2人は頭を引っ込めた
「・・・・」
A組の小高は2人に気付かずに通り過ぎて行った
・・・・その時だった
先程、小高が歩いて来た道を覆面姿の2人が走って行くのが新野には見えた。
「・・・・ぇ?何あれ?」
「・・・ん?」
石松は気付いていなかった。
【ダダダダダダダダッッ!!!!】【ドンッドンッドンッ】
2種類の武器の音が鳴る
「え、何?」
小高は銃声の方を見たが、もう遅かった
【チュンチュンチュン!!】
アサルトライフルの銃弾が3発、小高の体を貫く
「きゃあアァァァーーー!!」
小高は叫ぶ
覆面の1人は走りを止めず、小高の目の前まで走る。そして
【ドンッッ!!】
マグナムコルトパイソンの銃弾が小高の鼻より上を吹き飛ばす。
小高は空中で一度ブリッジの様な形になって2m程後ろへ吹き飛んだ
骨が飛び散り、血が吹き出る。
【・・・・ベチャァッ】
小高は倒れる
覆面2人は向き合い、うなずくと、森の出口に向かい、また走り出した
「・・・あぁ・・・ぁ」
新野達は怖かった
「この学年にあんな事するやつがいたなんて・・・」
「しかも・・体系からして女子だったょ・・・」
「マジかよ・・・・」
「・・・・女、怖ぇぇ~~~~!!」
新野は上を向いて叫んだ

民家B  牧屋・中原   21時21分
『・・・なんで自分(自称)が中原と一緒にいなきゃいけねんだょ・・・』
「牧屋、この後どうすんの?」
「あ!?自分が知るか・・・」
D組の牧屋と中原がいる、2人は食料のパンを食べている
「・・・あぁ、ハムとチーズが欲しいわ・・・」
「ハハ、流石にパンだけは辛いね」
「・・・へぇ」
そういうと、牧屋は冷たい眼で窓から外を見た
右手には武器の、2本のドライバーが持たれていた
「・・・!」
牧屋は何かに気付いた
「中原、しゃがめ・・・!」
牧屋は、中原の頭を掴み一緒にしゃがむ
ドアの外を誰か人陰が通る
「何が・・・」
「しっ!・・・・・」
人陰はドアの前に止まる
「・・・・・くっ!」
牧屋の頬を汗が伝う
「二手に別れるぞ、戦う」
「えぇ!でも・・・一緒に行ってくれる人かも・・・」
「とりあえず今は誰も信じんな・・・自分の事もな」
「・・・・」
牧屋は中原から離れる
『・・・ドライバーじゃ分が悪ぃ・・・くそっ!』
【ギィ・・・】
ドアが開く音がゆっくりと聞こえる
あくまでも中原は仲和しか求めていなかった
「ねぇ」
中原は無防備に人陰に声をかける
もう辺りは暗くて、顔は見えない。誰かわからない
『あのバッカやろ・・・・!!』
「・・・・」
人陰は何もしゃべらない
「ね・・・ねぇ、一緒に・・・い、行かないか?脱出の方法を・・・」
人陰の右手のナイフが横に振るわれた、ナイフは中原の喉をかっ捌く
「・・・・!!」
【シューーーッ】
中原の喉からは大量に血が飛び出していてしゃべれない
「・・・!?」
牧屋にはその人陰の顔が月明かりに照らされ一瞬だけ見えた
『・・・・尾唐!?』
そこいたのはA組の尾唐だった
尾唐はそのままナイフを中原の右脇腹を刺す
「・・・はぁっ!!」
そして、ナイフを刺したまま抜かずに上まで振り切った
【ブシューーッ!!】
・・・・部屋が赤く染まる
中原の死体は2~3歩歩き、その場に倒れる
「・・・ったく・・・」
尾唐はため息を吐いた
【バタンッ】
尾唐は中原のバッグやら武器やらを何も取らないで、家を出ていってしまった
「何も・・・取んねぇのかょ・・・・」
牧屋が小声でそう言った直後だった
「・・・・?」
自分の後ろの窓に尾唐が映っているのには気付かなかった
『ガシャーーン!!』
牧屋の背後の窓ガラスが高音を立てて割れる
「!?」
牧屋は反射的に窓から離れる、そして窓の方を見る
「・・・・なんなんだょ・・・」
しかし牧屋が窓の方を見た時にはもう誰もいなかった
【・・・・カシャン】
窓のすぐ近くで音がした
『ヤバいッッ!』
牧屋はすぐ分かった、今の音が銃のリロード音という事が
【タッタッタッタッタッタッ・・・・】
家の回りを走り出した
『・・くぅっ!出れねぇ・・・・!相手は女だろうと銃を持っている・・・しかし相手もこちらが銃を持っているかもと警戒しているはず・・・・』
「どうすれば・・・・・」
牧屋は視線を下に流す
「・・・・これだ!このためのドライバーだ」
「・・・・」
尾唐はドアの前で止まる
【ドガッ!】
ドアをけりやぶると同時に持っていた銃を乱射する
「おりゃぁぁぁ!!」
しかし、牧屋の姿は見当たらない
「どこに隠れ・・・・あぁっ!?」
床下が、開いているのに気付いた
「床下から逃げた・・・・か。ちぇっ・・・誰だょ・・・」
尾唐は顔をしかめた
家に入り、床下に潜った
奥へはかなり行けるようだ。尾唐はやぶからぼうに進んで行った

・・・すると牧屋が家の天井から降りて来た
「・・・・バカが。カモフラージュだ、カス」
牧屋は床下への道を塞ぎ、ネジを止める
「・・・へへっ、そこは行っても行っても行き止まりだ、死んだな、尾唐」
牧屋は薄く笑った
牧屋は中原を裂いたナイフと中原のバッグを拾い、鼻歌を唄いながら家を出た
「・・・さぁーて、丸子とか探さねぇーとなぁ~・・・」
牧屋はあくびをしながら頭をかいた




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